体と心理
【東京雑学研究会編】
§相手の膝やつま先の向きで心理が読める
人間は言葉や表情で、本心を包むことができる。大人としての知恵で、ことを荒立てたくないため、面と向かっていいにくいことを遠まわしに表現したり、全く反対のことを平気で口にしたりするのだ。
その中から真実を読み取るのも大人としての知恵であるが、ボディランゲージという言葉があるように、口から出る言葉でなく相手の体の動きで気持ちを読めると話が早い。その中でも、膝やつま先は、相手の自分への好意の度合いを知るのに最適な部分なのだ。
例えば、取引先での営業で、相手の担当者はいつも愛想がいい。ところが、応接セットに向き合って座ると、上半身はこちらを向いているのに、お尻を横にずらして足を組んで座り、膝もつま先もソファと平行になっているというような場合、相手の気持ちは自分に向いていないと考えられる。
また恋人にしても同じだ。並んで映画を見ているとき、彼女の膝が自分のほうを向いて曲げられていれば、画面に集中して映画を楽しみながらも、恋人と一緒にいることを心の奥で認識しているあかし。ところが、膝を反対側の座席のほうへ向けて足を横に流し、つま先も反対を向いているとしたら、映画を一緒に見る相手は、別にあなたでなくてもよかったのかもしれない。
人間は、好意を抱いた相手に対しては自然に体がその人のほうを向くもの。それが自然に表れるのが、ほとんどの人が自分でも無意識でいる膝とつま先なのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670217 |