オーケストラ
【東京雑学研究会編】
§オーケストラは円形劇場から始まった
指揮者を中心にして扇形に席を並べて美しい音楽を披露してくれるオーケストラ。よく見ると、演奏者の座る位置もほぼ決まっている。
ピッコロやフルートなど人数の少ない楽器は、指揮者の前辺りに座り、バイオリンは左側に並んで座っている。また、打楽器や大型楽器は、後の方で演奏しているのが一般的だ。
試行錯誤の末、この席順がいちばん良い音を作れるという結果なのだろう。
さて、オーケストラの語源をたどると古代ギリシアにたどりつく。ギリシア遺跡の中の一つに円形劇場があるが、どうやらそこにこの語源があるようだ。
この円形劇場の作りに注目すると、客席と舞台の境目に「平土間」という広場がつくられている。
平土間は、舞台を盛り上げるための歌や踊りを披露する場所として利用されていたらしく、この平土間の部分をオルケストラと呼んでいた。このオルケストラがなまって今のオーケストラと呼ばれるようになったのだ。
日本では、明治時代に雅楽用語の中から管弦楽と訳されてオーケストラのことを管弦楽団とも呼んでいる。
このオーケストラ、アメリカでは一階席という別の意味も持っている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670122 |