液晶
【東京雑学研究会編】
§「液晶」とは液体なのか? 固体なのか?
ノートパソコンや携帯電話、テレビなど、液晶が使われている製品は増えている。従来のブラウン管に比べて薄く軽量にできるから、ダウンサイジングがもてはやされる現代にはぴったりだ。
ところで、液晶というからには液体が入っていて、液晶テレビを壊してみたら、中から水のようなものが出てくるのだろうか。
液晶とは、「液状結晶」のこと。液体と固体の中間の状態にあり、固体、液体、気体のいずれでもない「第四の状態」といわれる。液体の流動性と固体の規則性の両方を兼ね備えている。
ガラスにはさまれた液晶はミリグラムという単位の微量なものだし、画面が割れても流れ出てはこない。
また液晶は非常に高価で、金よりも高い。
液晶の見た目は透明だが、電圧をかけることで光を通さなくなり、そのことで画像を表示する。
光を通したり通さなかったりするのは、電圧をかけると分子の配列が変わるからだ。
液晶ディスプレイの内部は、液晶の両側を偏光板がはさみ、さらにその外側を透明な電極がはさむという構造をしている。そしてディスプレイの後ろからは、バックライトが光を放っている。
電圧がかからなければ、バックライトの光は一枚目の偏光板から液晶を通り二枚目の偏光板を抜けてディスプレイの前にいる人の目に届く。光そのままの白い色だ。
しかし、電極に電圧がかかると、その部分の液晶は分子の配列を変え、光を遮るはたらきをする。するとその部分は、黒く見えるわけだ。
いまはカラーのディスプレイがほとんどだが、色をつけるにはRGB(赤、緑、青)のカラーフィルターを使っている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670098 |