足利義満
【東京雑学研究会編】
§足利義満が始めた日本の酒税制度
お酒に酒税が課せられたのは、いつ頃のことだろう。実は、酒税の歴史は意外にも古い。そもそも日本人が酒を作り始めたのは、三世紀頃のことである。
『古事記』によると、その当時酒はドロドロとしていてどぶろくのようだったらしく、それを漉して、飲んでいたらしい。
そして、一三七一(応安四)年の室町幕府三代将軍、足利義満の時代に全国の酒屋に対して、つぼ別二〇〇文の酒税を課したのがその始まりである。
この時代といえば、足利尊氏が幕府を起こし、義満が将軍となるまで、争いごとの絶えなかった時代である。それに伴い、多額の軍事費用も必要だった。そこで考えついたのがこのつぼ別二〇〇文の酒税だったわけだ。
また、一八七一(明治四)年には、新たに太政官布告が制定され、免許税と醸造税の課税が制定された。その後、何度か酒税方式は改正されていき、一九八八年(昭和六三)には消費税法が制定された。
酒類はこのとき、重要な改正を受ける事ができた。具体的には、酒類間の税負担格差の縮小。ウイスキー・清酒の級別制度の廃止などがあげられる。
また、WTO(世界貿易機関)に対応した税率格差の大幅な見直しもこのとき無事に図られることができたのだった。酒好きには、良い時代があったのである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670009 |