ブドウの品種と主な銘柄
ブドウの品種と主な銘柄
ネッビオーロ(赤)
品種名の由来は霧(ネッビア)の出始める晩秋に収穫されることにから。天候の選り好みが激しく、主にピエモンテ州で本領を発揮して長命のワインとなる。主な銘柄はバローロ、バルバレスコ。
バルべラ(赤)
ピエモンテ州が主産地。色が濃く、豊かな果実味と強い酸を含み、濃厚な味の料理とも相性のよいワインを生む。主な銘柄はバルべラ・ダルバ、バルベラ・ダスティ。
ドルチェット(赤)
ピエモンテ州が主産地。果実味豊かな、なめらかな味わいのワインとなる。主な銘柄はドルチェット・ダルバ。
サンジョヴェーゼ(赤)
トスカーナ州を中心にほぼ国内全域で栽培。価格帯も幅広い。総じて酸は強め、骨格のしっかりしたワインとなる。主な銘柄はキャンティ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。
アリアニコ(赤)
ギリシャ由来の伝統品種でイタリア南部が主産地。力感にあふれた濃密な赤を生む。主な銘柄はタウラージ(カンパーニャ州)、アリアニコ・デル・ヴルトゥレ(バジリカータ州)。
モンテプルチアーノ(赤)
アブルッツォ州などイタリア南部が主産地。色調は濃く、果実味豊かでやさしい肌合いのワインとなる。主な銘柄は、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ。
モスカート・ビアンコ(白)
ピエモンテ州を中心にほぼ国内全域で栽培される。華やかな甘い香りがする、瑞々しい甘口ワインとなる。主な銘柄はアスティ・スプマンテ。
アルネイス(白)
ピエモンテ州が主産地。栽培が難しい品種だが、適地ではボディのしっかりした高貴な白ワインとなる。主な銘柄はロエロ・アルネイス。
ガルガネガ(白)
ヴェネト州が主産地。フレッシュでソフトな味わい、ミネラル感のある白ワインとなる。主な銘柄はソアーヴェ。
ヴェルメンティーノ(白)
サルデーニャやリグーリア州が主産地。14世紀頃スペインから伝えられた品種という説が有力。魚料理に合う。主な銘柄はヴェルメンティーノ・ディ・ガッルーラ(サルデーニャ州)。
【北イタリア・ピエモンテ州】
ピエモンテ
高品質な赤を生むワイン産地で有名。バローロ、バルバレスコは代表格。白ではロエロ・アルネイス、甘口の発泡ワイン、アスティ・スプマンテやモスカート・ダスティなど。
【北イタリア・ロンバルディア州】
ロンバルディア
シャンパンに匹敵するといわれる高級スパークリングのフランチャコルタをはじめ、スイスとの国境に近い地域ではネッビオーロ種を原料とするヴァルテッリーナなどが知られる。
【北イタリア・ヴェネト州】
ヴェネト
赤、白ともに濃厚すぎず中程度にコクのあるタイプが主流。白はソアーヴェ、赤はヴァルポリチェッラなどが代表銘柄。濃厚な辛口のアマローネは長命で高アルコール度数。
【中部イタリア・エミリア=ロマーニャ州】
エミリア=ロマーニャ
赤の微発泡性ワイン、ランブルスコが有名。州名産の生ハムによく合う。白はアルバーナ・ディ・ロマーニャが知られる。
【中部イタリア・トスカーナ州】
トスカーナ
産地は海側と内陸側に分かれ、海側はボルゲリを中心に近年急速にワイン造りが発展した土地。サッシカイアはその第一人者。中央丘陵部はサンジョヴェーゼ主体の赤の生産が中心で、キャンティやブルネッロ・ディ・モンタルチーノは代表銘柄。
【中部イタリア・ウンブリア州/ラツィオ州】
ウンブリア/ラツィオ
ウンブリアでは、中部イタリア原産のブドウを使った白のオルヴィエートが有名。ラツィオではエスト・エスト・エストやフラスカーティなど軽やかな白ワインが知られる。"
【中部イタリア・アブルッツォ州】
アブルッツォ
赤ではモンテプルチアーノ・ダブルッツォ、白はトレビアーノ・ダブルッツォなどリーズナブルな価格で味のバランスもよいワインが手堅い人気を得ている。
【南イタリア・カンパーニャ州】
カンパーニャ
アリア二コ種から造られる高貴な赤のタウラージ、原産ブドウから造られるグレコ・ディ・トゥーフォやファランギーナなど個性的な白が高い評価を受けている。"
【南イタリア・バジリカータ州】
バジリカータ
生産量は少ないが、赤のアリアニコ・デル・ヴルトゥレは、カンパーニャが誇るタウラージ同様、アリアニコから醸造される強い個性を持った赤ワインとして知名度が高い。
【南イタリア・プーリア州】
プーリア
カリフォルニアで栽培されるジンファンデル種と同じルーツといわれるプリミティーヴォ種を原料とする赤のプリミティーヴォ・ディ・マンドゥリアは、凝縮感に富み明るく親しみやすい。
| 東京書籍 (著:岸 朝子) 「イタリアン手帳」 JLogosID : 8541156 |