マイナス金利
【まいなすきんり】
本来プラスであるはずの金利がマイナスとなることをいいます。金利は貸し手(債権者)が借り手(債務者)から借金の対価としてもらえることが通常であるが、貸し手が借り手にお金を借りてもらったうえで、さらに金利を払わなければならないという珍しい状況のことをいいます。通常の市中では起こらず、中央銀行と市中の金融機関のとの間だけで起きます。
今回日銀が導入したマイナス金利は、金融機関(銀行、信用金庫等)が日銀(中央銀行)の当座預金に預ける際に本来であれば金利をもらえるはずが、逆に日銀に金利を払わなければいけない状況をいいます。
金融機関は日銀に当座預金口座を開設していて、預金総額の一部を預金者に対する支払いを担保するために日銀の当座預金に預金をしなければならないと法律で決められています。これを預金準備率制度といい、この法律に基づいて預金された当座預金のことを法定準備金といいます。また、法定準備金を超えて、金融機関は日銀の当座預金に独自の判断で預金をすることができます。これを超過準備といいます。日銀はこの超過準備に対して金利を0.1%つけていました。今回、導入されたマイナス金利は、この超過準備に対して△0.1%の金利つけ、金融機関から金利を徴収することをいいます。
日銀が狙った効果は、金融機関の貸出金を増やすことです。金融機関は資金を様々な形で運用しています。この中で、貸出金、国債等の運用の他に、日銀の当座預金が有力な運用手段になっていました。そこで、日銀の当座預金に預けていた資金に手数料を課すことによって、金融機関が手数料の徴収を嫌がり、貸出金等ほかの運用手段に資金を回すことを狙ったものです。貸出金が増えれば、様々な会社が資金調達をしやすくなり、貸出金によって調達した資金を投資や事業に回すことによって、経済が活性化することをねらっています。(M:2016/2/4)
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425630 |