スマホ老眼
【すまほろうがん】
スマートフォンの使いすぎが原因とみられる老眼に似た症状。特に20代、30代といった若年層に、「手元が見にくい」「目が疲れる」といった自覚症状が出ることを指す。症状は老眼と似ているが老眼ではなく、医学的には「調節緊張」と呼ばれる現象。目の近くを見続けた結果、筋肉が凝って、ピント調節ができなくなって起こる。老眼ではないので症状は一時的と言えるが、重篤化すると、ピントが固定されたままになることもある。
主な症状は次の通りで、いずれも老眼と共通する。
・遠くは見えるのに、新聞など近くの文字がぼやけて見える
・目の焦点が合いづらい
・目が疲れたりかすんだりする
・肩が凝ったり頭痛がする
公的な機関による症状がある人の統計はないが、眼鏡の業界紙が眼鏡を使っている1万人を対象に行ったアンケートでは、老眼が起きる年齢ではないのにこの症状があるのは、2012年は0.5%だったのが、2013年には6.7%と急増した。スマホの世帯保有状況が、40%台から一気に60%台に達した時期と重なることから、スマホとの関連性が強く指摘されている。
目は、レンズの役割を果たす水晶体の厚さを毛様体という筋肉の働きで変える。老眼は加齢に伴って水晶体が硬くなったり、毛様体が衰えたりしてピント調節ができなくなる現象で、40歳ぐらいから兆候が出る。スマホ老眼は、症状があっても視力に特に異常はない。このことから、ピント調節がスムーズに行えなくなった状態とされる。
ピント調節ができなくなるのは、スマホの小さな画面の文字を目の近くで凝視するのが原因。予防対策としては使用時間を抑えることのほか、一定の時間で目を休める、画面を暗めに設定する、目と画面との距離を離す、などが挙げられる。
スマホによるとみられる「現代病」にはこのほか、スマホ首(首凝り)、スマホ指(指の痛み)、スマホ巻き肩(肩が前方に出る)などがある。
子どもたちには、近距離でスマホの画面を見ながらゲームなどをすることによる「スマホ近眼」の報告も増えている。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425627 |