木村拓哉のドラマと映画
【きむらたくやのどらまとえいが】
「キムタク」の愛称で知られる木村拓哉は、日本の国民的男性アイドルグループ「SMAP」のメンバーである。SMAPは、メンバー5人全員が俳優活動を行っているが、特に木村拓哉は“高視聴率男”としてTVドラマでの主演経験が多い。本稿では、木村のドラマと映画における俳優活動について詳述する。もともとアイドルは、見た目のよさなどを以て若年男女の憧れ・疑似恋愛の相手として振る舞うことがタレント価値の根幹であり、どう「振る舞う」かの手法選択が限定されるものではない。伝統的には「歌手として振る舞う」ことが、アイドルの王道とされていた。ただし、ファンの疑似恋愛の相手を務め続けるには「若さ」が必要とされる。そのため、20歳代半ば頃から徐々に若さが失われ、人間的成熟に向かうにつれ、アイドルとしての振る舞い方の主軸を歌手活動 → 俳優活動に移していくのが、タレント生命の延命のための定石の一つとされている。木村拓哉の場合もご多分に洩れず、SMAPの新曲リリースペースがそれまでの年4回から落ち着き始めた1997年前後から、俳優の仕事の比重が重くなっている。まず、連続TVドラマにおいては、1996年に初の主演作が放送された(「ロングバケーション」)。この年と翌1997年は、1年の間に連続TVドラマに2本出演し、ドラマ男優としては最も多忙だったといえる。特に1997年の2作は、両方とも主演であった(「ラブジェネレーション」「眠れる森」)。1998年以後は、毎年1本の連続TVドラマ主演ペースを15年にわたって保っている。特に2001年の「HERO」は、全11話を通して毎回視聴率が30%を超えるという驚異的な成績をたたき出した。また2000年の「ビューティフルライフ」は、最終話の視聴率が41.3%に達しており、これは日本の民放の連続ドラマにおいて歴代4位の記録である。TVドラマの出演数に較べると映画出演回数はかなり少なく、2014年現在、9本にとどまる。映画出演が活発化したのは21世紀に入ってからで、主な作品は『ハウルの動く城』(2004)、『武士の一分』(2006)、『HERO』(2007)、『SPACE BATTLESHIP ヤマト』(2010)など。時代劇、SF、アニメ、外国映画、戦争映画、アイドルムービーなど、数は多くないながらも多様な作品に出演している。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425586 |