ウルトラマン
【うるとらまん】
ウルトラマンは日本を代表する特撮変身アクションヒーローである。東映が製作する仮面ライダーシリーズ、スーパー戦隊シリーズとともに、日本三大特撮ヒーローに位置づけられる。今日、ウルトラマンシリーズとは、怪獣襲来による危機に、人間が巨大な超人に変身して、怪獣を倒すべく立ち向かうという基本フォーマットに則った一連の作品を指すのが一般的とされている。この解釈の場合、始祖は、1966年放送開始の「ウルトラマン」となる。「ウルトラマン」は、怪獣や宇宙人が災害や怪異な事件を引き起こし、科学特捜隊略して科特隊が立ち向かう → ピンチに陥った時に、科特隊のハヤタ隊員がこっそりウルトラマンに変身し、怪獣と戦う → 怪獣を倒す → ハヤタ隊員が戻って来るというのが基本フォーマットである。平均視聴率が36%を超える大ヒット番組となり、当時の男児はこぞって、ウルトラマンの必殺技であるスペシウム光線の真似や、変身アイテムであるベーターカプセルを頭上に掲げる真似をした。巨大ヒーローに「変身」するというカタルシスや、弥勒菩薩を参考にしたともいわれるウルトラマンのシンプルな造形、円谷プロによる迫力あふれるミニチュア特撮、おどろおどろしい雰囲気の画作りなど、特色はいくつもあるが、毎回やられ役として登場する怪獣たちのデザインがどれも独創的で魅力的であったというのもよく指摘されるポイントである。前身として放送されていた番組「ウルトラQ」は、怪奇事件を主題にした特撮TVドラマで、こちらに巨大変身ヒーローは登場しない。しかし番組に登場した怪獣のソフビ人形はヒット玩具となり、番組の視聴率も軒並み30%台に乗った。「ウルトラマン」はこの「ウルトラQ」に、ヒーロー役を足して戦わせたものである。「ウルトラマン」が大ヒット番組となったことで、ウルトラシリーズは、『怪獣の出てくる怪奇SFドラマ』から、『巨大変身ヒーローが怪獣と戦って地球の平和を守るアクションドラマ』に変化した。その後は、次作「ウルトラセブン」放送開始までに半年空いた他は、シリーズはブランクなく続き、遅れて1971年に始まった仮面ライダーシリーズとともに変身ヒーローブームを確固たるものにする。第6作「ウルトラマンレオ」を以てTVシリーズの制作はいったん幕を下ろす。1980年には新作シリーズ「ウルトラマン80」が作られたが視聴率は奮わなかった。以後、連続TV特撮シリーズとしてのウルトラマン復活は、1996年の「ウルトラマンティガ」登場を待つことになる。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425588 |