プレステ
【ぷれすて】
ソニー製の家庭用据え置き型ゲーム機「PlayStation(プレイステーション)」の略称。
1989年、任天堂からスーパーファミコン向けのCDドライブ開発を打診され、ソニーがゲーム機に携わるようになった。任天堂との提携が立ち消えになったが、独自ゲーム機の開発は続行。94年に初代プレイステーションが発売されると、3Dグラフィックによる優れた画像表示、CD―ROMで大容量のゲームソフトなどの使い勝手の便利な機能が支持された。
「ファイナルファンタジー」や「ドラゴンクエスト」シリーズなどのヒット作品に恵まれ、振動機能が付いたコントローラーの発売など画期的なアイテムも登場。
任天堂のNINTENDO64、セガのセガ・サターンと三つ巴だった市場を制覇し、80年代にファミコンで独壇場にあった任天堂からソニーが家庭用ゲーム市場の主役を奪った。初代は発売10年余で累計1億台超を売り上げ、2000年に2代目「プレイステーション2」を投入。04年にはポータブルタイプの「PSP」、06年に3代目「プレイステーション3」を発売するなど後継機も生まれた。ソニーは13年2月21日、4代目となる「プレイステーション 4」の年内発売を発表した。
エンターブレインの調査によると、日本の家庭用ゲーム機の市場は80年代後半に3,000億円だったのが、97年に5,332億円まで上昇。その後、「若者のゲーム機離れ」が進んで一時縮小したが、2000年代半ばに任天堂の「Nintendo DS」や「Wii」のヒットで中高年や家族のニーズを掘り起こして再浮上。07年には6,878億円のピークに達した。
しかし今度は携帯電話の発達に伴い、ソーシャルゲームが新たな競合として台頭。家庭用ゲーム機の市場が5,000億円程度まで落ち込む半面、ソーシャルゲーム市場(矢野経済研究所調べ)は若者層を中心に取り込み、09年の361億円から11年度は2,824億円に急増。12年度は3,870億円、13年度は4,256億円にまで続伸すると予測されている。
そうした中でソニーが投入するプレステ4は、フェイスブックとも連動した「ゲーム体験の共有」というソーシャルの要素を取り入れ、実写と見まがうような高性能グラフィックなどを売りにする。ただ、「家庭用ゲーム機という枠組みを超える何かが不足している」(ゲームジャーナリスト新清士氏、13年2月21日・日本経済新聞電子版)という論評があるように、スマートフォンやタブレット端末で多様化するゲーム市場の中で勝ち筋を見出せるのか課題になりそうだ。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425461 |