初期雇用契約
【しんき・こよう・けいやく】
フランスにおける若者向けの雇用政策
26歳未満の若者を雇った場合、試用期間の2年間は企業が理由なしに解雇できると定めた契約のこと。フランスにおける若者向けの新しい雇用政策として、機会平等法に盛り込まれた。
フランスの雇用情勢は現在、正社員と契約社員の二極化が進行している。不安定な契約社員から安定した正社員の地位に移るのは難しく、特に学生の間では就職に失望感が広がっている。
フランス政府は、若者の正社員への雇用を促進する目的で、機会平等法を導入した。その法律によると、採用されるときに初期雇用契約を結ぶことで、正社員としての試用期間が設けられる。一方で、採用側の企業に配慮し、試用期間中は理由なしに解雇できるとした。
初期雇用契約の導入に反対する労働団体や学生団体などが、パリを中心にフランス各地で撤回を求める運動を展開している。フランスのシラク大統領は、初期雇用契約を含む機会均等法について、一部を修正したうえで署名する方針を表明した。
なお、フランスでは、国会が制定した法律は大統領が署名することで効力が発生する。
| 時事用語のABC (著:時事用語ABC編集部) 「時事用語のABC」 JLogosID : 14425286 |