明治安田生命不払い事件
【めいじやすだせいめいふばらいじけん】
05年2月20日、金融庁は明治安田生命に業務停止命令を下しました。この命令の原因になったのは、明治安田生命が利益をあげるために保険金、給付金を踏み倒していたのです。これは当時の金子社長が01年の経営計画で利益を拡大するために、支払い請求の査定を厳しくすることを指示したのです。
社内的に踏み倒しマニュアルといわれる「“こんな時どうする”支払関連Q&A-給付金・保険金お客さま対応事例集-」を02年に作成し、組織的に踏み倒しをおこなっていたのです。
しかし、契約者の保険金の不払いが発覚し、金融庁に苦情が持ち込まれたのです。待ちこんだのは、国会議員の親族だといわれています。この苦情で明治安田生命の組織的、悪質な踏み倒しが発覚して、最初の業務停止処分を受けました(2月)。
しかし、4月に踏み倒しマニュアルをまだ使っていたことが発覚し、しかもまた踏み倒ししていた金額が15億円もあることがわかり、二度目の業務停止処分を受けました。と同時に専務以上の役員13人全員が責任をとって辞めました。
明治安田生命事件で損保にも踏み倒しがあることが発覚し、生保、損保において徹底的に踏み倒し金額を調査するように金融庁が指示しました(05年2月)。しかし膨大な契約調査のためにに07年10月になって、やっと報告がでました。生保38社で踏み倒した件数は01年から05年の5年間で120万件、910億円となっています。
| 保険評論家:佐藤立志 (著:佐藤立志(故)) 「保険用語辞典」 JLogosID : 5165002 |