ベース基礎知識 ウォッカ
"ロシアを代表する伝統的な蒸留酒だが、詳細な起源は不明。1917年に起こったロシア革命で各国に亡命した白系ロシア人たちが、亡命先の国々でウォッカを造り始め、世界に広がったとされる。なかでもアメリカでは大量に生産されており、現在、ロシアと並ぶ2大消費国となっている。ウォッカの語源は、ロシア語で“生命の水”を指す「ズィズネーニャ・ワダ」の「ワダ(Voda)」がウォッカに変化したと言われている。
原料、製造方法、代表的な銘柄等
小麦、大麦、ライ麦、トウモロコシ、ジャガイモなどを糖化・発酵させた後、連続式蒸留機で蒸留してアルコール度85~94度の蒸留酒を造る。これを水で薄め、シラカバの炭などから作った活性炭の濾過層に通し、荒さや匂い、雑味などを除去する。濾過回数が多く、無味無臭・無色透明なほど上質なウォッカとなる。
現在、東欧をはじめ世界各地で生産されているが、代表的な銘柄は、ロシア産のストリチナヤ、アメリカ産のスミノフなど。
フランス産のグレイグースは、1997年に誕生した比較的新しいブランドだが、フランスの最高級小麦だけを原料とし、コニャック地方のピュアな湧き水を仕込み水とするなど、さまざまなこだわりをもつプレミアムウォッカとして人気が高い。グレイグースに完熟オレンジをブレンドしたル・オランジェ、ラ・フランスを加えて蒸留したラ・ポワールも発売されている。
スピリタス
ポーランド産、アルコール度数96度のウォッカ。70回以上の蒸留を繰り返すことで純度を高めており、“世界最強の酒”と言われている。
フレーバードウォッカ
ハーブやスパイス、フルーツなどで香味を施したウォッカ。ポーランドでよく生産されている。バイソングラス(ズブロッカ草)で香りを付けたズブロッカが有名。
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| 東京書籍 (著:上田 和男) 「カクテル手帳」 JLogosID : 8538962 |