黒糖焼酎の基礎知識
【こくとうしょうちゅう】
奄美群島のみで造られる限定焼酎
奄美群島とは、奄美大島、喜界島、沖永良部島、徳之島、与論島の主要5島と加計呂麻島、請島、与路島などの属島からなる。
サトウキビが中国から奄美群島に伝来したのは1610年といわれ、それは奄美群島が薩摩領となった翌年だった。当時の日本では、サトウキビからできる黒糖は高級品だったため、そのほとんどは薩摩藩によって上方へ送られ、群島の人々はもっぱら雑穀やさつまいもなどから焼酎を造っていたといわれる。
晴れて、黒糖焼酎が造られ始めたのは第二次世界大戦中で、それ以前は沖縄同様に泡盛製造が盛んだったが、戦争の米不足から泡盛が造れず、黒糖焼酎造りが盛んになる。
もともとこの酒は糖が原料のため、そのまま醗酵させればアルコール化する。それはサトウキビが原料で麹を使わないラム酒と同類で、日本の酒税法では高い税額を課せられる。しかし、1953年クリスマスの本土復帰の際、復帰特別措置として、管轄区域内限定で製造過程に米麹を併用する場合に限り焼酎として製造を認めるという特例が出された。
現在、この特例を遵守しながら、前記主要5島で27場の黒糖焼酎メーカーが情熱を込めた製造を続けている。
| 東京書籍 (著:監修:SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会)) 「焼酎手帳」 JLogosID : 8538594 |