積載物重量制限超過対策
【せきさいぶつじゅうりょうせいげんちょうかたいさく】
重量制限オーバーのトラックも一発アウト?
交通事故の恐ろしさは誰もが認識しているはずなのに、飲酒運転やスピード違反など、交通規則の違反者は後を断たない。積載物重量制限超過も立派な交通違反である。特に大型車は、一歩間違えば大事故を引き起こしかねないだけに、より厳重なチェックが必要だろう。ところが、高速道路上での過積載車の取締りを見たことがない。このことに疑問を抱いている人は、少なくないのではないだろうか。
高速道路上では、車を一台一台止めてチェックするわけにはいかない。かといって、違反者を見逃していたのでは、交通安全上好ましくない。
実は、過積載の取締りは高速道路上でするのではない。違反車は進入前にシャットアウトし、高速道路を走らせないのである。どこにそんな仕掛けが? と不思議に思う人もいるかもしれないが、インターチェンジの料金所のすぐ手前に、重量計がちゃんと設置されているのだ。
軸重量という計器でまずチェックし、その検問に引っかかった車は、料金所をそのままバックさせるというわけにもいかないから、一旦料金所を通して隅に寄せ、そこに設置された重量計で再チェック。過積載がはっきりしたら、そこから一般道路へ強制的に退去させるのである。過積載車が高速道路を走ると、危険なだけでなく、路面を損傷させたり、舗装の寿命を著しく低下させる。そのため、絶えず目を光らせているのだ。
だが例外もある。制限を超える積載物を運搬したい場合、道路管理者の許可を得れば、通行は可能である。ただし、通行時間、走行速度などさまざまな条件がつけられる。新幹線の車両を積んだ大型トレーラーが、深夜の高速道路を走る場面をテレビで見たことはないだろうか。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060038 |