高速道路チャンピオン
【こうそくどうろちゃんぴょん】
交通量と路線距離の高速道路チャンピオンは?
かつては交通量の多い道路といえば、大都市の目抜き通りと相場は決まっていた。しかし、高度成長の到来とともに、大都市の道路は慢性的な渋滞に悩まされるようになった。
現在、渋滞する道路は、決して交通量の多い道路とは限らない。市街地を走る道路は、たとえ昼間の交通量は多くても、夜になると車の数はめっきり減り、深夜ともなれば数えるほどの車しか通らなくなる。その点、産業道路とも呼ばれる郊外を走る幹線道は、深夜でも活動している。特に高速道路は二四時間フル稼動しているといってもよい。しかも高速でノンストップ。交通量は当然多くなる。
では、高速道路で交通量の最も多い路線はどこか。平成一〇年の統計によると、一日の平均交通量が全国一多いのは東京外環自動車道(大泉―三郷)で、総交通量一四万九六五九台、次いで近畿自動車道(松原―吹田)の一四万四一七〇台、東名阪自動車道(名古屋―名古屋西)の一二万六〇五五台、三路線とも三大都市圏の環状線である。
区間ごとの交通量では、東名高速道路の横浜町田―厚木間の一二万七五九三台が最も多く、二位も東名高速の東京―東名川崎間の一二万三八一三台、三位も同じく東名川崎―横浜青葉間の一二万一七六六台と、首都圏が上位を占める。このほか交通量が一〇万台を越える高速道路は、常磐自動車道、東関東自動車道、中央自動車道の東京に近い区間。あるいは、名神高速道路、西名阪自動車道、中国自動車道の大阪に近い区間である。
これだけ交通量の多い高速道路がある一方で、一日の交通量が一万台に満たない路線も多く、北海道の道東自動車道にいたっては一日に八〇〇台そこそこの交通量しかないのである。大都市圏と地方との格差の大きさが、交通量にも表われている。
では、高速道路で一番長い路線はどこか(予定路線も含む)。日本一長い一般国道が、東北地方を縦貫する国道四号であるように、日本一長い高速道路も、東京と青森を結ぶ路線である。そういえば、日本一長い鉄道路線も、東北地方を貫くJRの東北本線であった。東北縦貫自動車道が日本一長い高速道路で、東京―青森間は約六八〇km、八戸経由だと七四九kmの長大路線となる。
また、弘前線と八戸線を合わせた東北縦貫自動車道の全長は八六五kmにもなる。だがこの見方だと、近畿自動車道が伊勢線、名古屋大阪線、名古屋神戸線、紀勢線、敦賀線の五路線を持ち、総延長九七一kmの日本一長い高速道路ということになる。
一路線の距離では東北縦貫道が日本一で、その次に長いのは吹田―下関間の中国縦貫自動車道(五四三km)だ。一方では、一般国道と同じように、高速道路にも短い路線がある。新東京国際空港線はわずかに三・九km。関西国際空港線も六・六kmという短さだ。短くても、わが国の陸上交通には重要な路線なのである。
| 日本実業出版社 (著:浅井 建爾) 「道と路がわかる事典」 JLogosID : 5060032 |