【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 師走
年の市
【としのいち】

暮市・師走の市などともいう。年の暮に正月の飾り物や雑貨品などを売るために立つ市のこと。現在はデパートや商店街などの歳末大売り出しを含めていう。
年の市として古くから有名なのは、一二月一七、一八日に立つ東京浅草の羽子板市。売買が成立すると、縁起をかついで売り手・買い手の双方の手締めが行なわれる。羽根突きはもとは宮中の遊びで、江戸時代の頃から庶民の間にも普及した。片面に役者の押し絵などを張りつけた羽子板が現われるのは、文化・文政(一八〇四~三〇年)以降のことである。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040193 |