【暦の雑学事典】5章 季語と年中行事の雑学 > 如月
節分
【せつぶん】

季節の変わり目である立春・立夏・立秋・立冬の前日のことで、とくに立春(新暦二月四日頃)の前日をいう。この日はイワシの頭を刺したヒイラギの枝を戸口に立て、炒った大豆をまいて悪鬼や疫病を退散させる。豆まきの風習は中国起源で、奈良時代に宮廷行事となった。『蜻蛉日記』(一〇世紀)に「十二月のつごもりがたに、……儺などいふもの、こころみるを」というくだりがある。儺というのは悪鬼のことで、昔は節分行事のことを追儺・儺やらひ・鬼やらひなどと呼んだ。十二月のつごもりがたとは、大みそかのことである。立春正月を基本とする旧暦においては、豆まきは大みそかに行なわれたのである。
![]() | 日本実業出版社 (著:吉岡 安之) 「暦の雑学事典」 JLogosID : 5040100 |