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暦の雑学事典1章 暦の常識・非常識 >

暦の呼び方
【こよみのよびかた】

カレンダー、エフェメリス、アルマナック

◆暦の名がついてもカレンダーとは異なる
 現代人は暦といえば、日付が印刷されたカレンダー思い浮かべる。しかし、暦とはもともと天体観測に基づく年月日の数え方(暦法)のことをいう。天体観測がなければ暦もなりたたない。英語のカレンダーは、「宣言する」という意味のラテン語 calendae に由来する。太陽暦が導入される前の古代ローマにおいては、祭司が月の満ち欠けを観測し、新月が出現すると「月が出た!」と人々に知らせて、一か月の始まりを宣言したからだ。
 太陽、月、諸惑星の位置や運動を記した天体暦(天文暦)は、英語ではアストロノミカル・エフェメリス(astronomical ephemeris)という。エフェメリスというのは占星術的な予言書に由来する。ルネサンス以前のヨーロッパでは、天文学(astronomy)と占星術(astrology)が未分化であったことの名残である。天体暦と訳されるカレンダーではない。
 さらにはアルマナック(almanac)という英語も暦と訳されることがあるが、これは日の出日の入りなどの暦象情報を記載した年表のようなものだ。たとえば航海暦(ノーティカル・アルマナック)は、航海者が利用する天体位置表である伊能忠敬は一八〇一年に房総半島を測量した際、「保田村の日本寺和尚がイギリス暦二、三枚を所持している」と日記に記しているが、これはイギリスの航海暦のことである伊能忠敬の全国測量は緯度一度の距離を実測し、地球の大きさを確定することが当初の目的だった。カレンダーとしての暦に興味を示していたわけではない。
◆暦の作成には基礎資料がいる
 明治時代に東京天文台が設立されてから、暦の原稿は東京天文台が作成し、これをもとに伊勢神宮が本暦と略本暦を発行するようになった。いわゆる神宮暦である。こうしたカレンダーとしての暦とは別に、大正年間になると日本でも独自の天体暦を編纂する必要があることが認識されはじめた。そこで昭和六年から海軍水路部の航海・航空用に『航海年表』『航空年表』が発行され、昭和一八年からは純粋な天体暦である『天体位置表』が発行されるようになった。戦後は占領軍司令部によって東京天文台による神宮暦の編纂が禁止されたため、昭和二一年からは神宮暦にかわる国民暦として、『暦象年表』が各官庁に頒布されるようになった。一方、『天体位置表』のほうは海上保安庁水路部に引きつがれて、毎年発行されている。天体暦の主要部は国立天文台(旧・東京天文台)編集による『理科年表』(丸善刊)の「暦部」に収録されており、一般的に利用するにはこれで十分である




日本実業出版社 (著:吉岡 安之)
「暦の雑学事典」
JLogosID : 5040017


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:吉岡 安之
価格:1,404
収録数:198
サイズ:18x13x1.8cm(-)
発売日:1999年12月
ISBN:978-4534030214

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