一つの内容を現すべく最適確の言葉その尊い言葉は現世にたった一つしか無い
【名言名句】
一つの内容を現す
べく最適確の言葉その尊い言葉は現世にたった一つしか無い
【解説】
この世にあるものは、すべて一つとして同じものがないといわれる。同様に、それを表現する適切な言葉も一つしかないという。
白秋はそのような真摯な態度で言葉と向き合い、『邪宗門』のような詩集や『ゆりかごのうた』『待ちぼうけ』のような名曲の詞を生み出していったのであろう。
われわれでも、ふだんはごく無造作に言葉を選び使っているが、自分のイメージをよりよく表現しようとして言葉を探すことはある。多くの場合は満足な言葉を見つけることはできないのであるが。
ただ、ヴォルスのように「言葉はカメレオンだ」という人もいる。同じ言葉でも受け取る側の経験や知性によってカメレオンのように変化するというのだ。これもまた、われわれも日常生活で体験するところである。さだまさしは「言葉というものは価値観が違うと伝わらない」とまでいっている。
【作者】北原白秋
【生没年】1885~1942
【職業】詩人
【出典】『芸術の円光』
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450620 |