言葉を正確につかえないということは思想も精神も曖昧だということになります
【名言名句】
言葉を正確につか
えないということは思想も精神も曖昧だということになります
【解説】
自分の思っていることや考えていることは言葉で表現する。言葉をきちんと使って表現できなければ、自分の考えを相手に正確に伝えることはできないし、もしそれができないとしたら、それは自分自身がその考えを明瞭にとらえきれていないということになる。「人間は表現できるていどのことしか考えていないものだ」ともいわれる。
「すごくいい感じなんだけれど、うまくいえない」「どういったらいいのかわからないけれど、なんだか腹が立つ」などの表現は、日常生活の中でいいもするし聞きもする。ふだんは気にもとめないし、そのままやりすごすだろう。つまり、感情も考えもあいまいなままだ。そのまま一生を過ごしてしまう人もいるかもしれない。
しかし、それに心をとめ、もっと掘り下げていこうとしたとき、人間の内側に哲学や文学や芸術が芽生えるのではないか。
【作者】唐木順三
【生没年】1904~80
【職業】哲学者
【出典】『鴎外について』
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450607 |