自由と我儘との界は他人の妨げをなすとなさざるとの間にあり
【名言名句】
自由と我儘との界
は他人の妨げをなすとなさざるとの間にあり
【解説】
福沢諭吉は「独立自尊」を説いた。独立とは、「自分にて自分の身を支配し他に依りすがる心なきをいう」。人の人としての尊厳は、自由の享受にある。ただし、自由とは我儘放縦を意味するのではない。
福沢は「道理に基き人の情に従い他人の妨げをなさずして我一身の自由を達」せなければならぬともいう。
言い換えれば、自由は制約の中にある自由であり、ここに「自由は不自由の中にあり」という言葉にもなる。
【作者】福沢諭吉
【生没年】1834~1901
【職業】思想家
【出典】『学問のすゝめ』
【参考】「独立自尊」を説いた福沢諭吉の戒名は「独立自尊居士」である。オランダ語を学び、独学で英語を学んでいたとはいえ、夏目漱石よりもひと時代前、明治維新の前に咸臨丸でアメリカへ渡り、日本とアメリカの違いを目の当たりにした福沢の驚きはどのようなものだっただろうか。帰国後早速啓蒙に努め、『学問のすゝめ』を著している。自由と我儘の違いへの理解は、現代の日本にとってもまだまだ課題なのではないだろうか。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450469 |