義務心を持っていない自由は本当の自由ではない
【名言名句】
義務心を持ってい
ない自由は本当の自由ではない
【解説】
われわれの住む社会では相互協力して生活しなければならないが、この協力は決して個人の自由を侵すものではない。自由とは、自分の意志で物事を決定することであり、それには当然、社会の一員として、自分の行動を律する責任と義務がともなう。無責任、野放図な自由は反社会的である。
「自由は不自由の中にあり」といったのは福沢諭吉だった。義務と責任を負わせられると感じるならば幾分なりとも不自由にちがいないが、義務と責任を負うと自らが主体的に意志するならば、そこにはもう不自由はない。
【作者】夏目漱石
【生没年】1867~1916
【職業】作家
【参考】これは、学習院で行われた「私の個人主義」という講演の中の言葉である。イギリスの自由の考え方について「自分の自由を愛するとともに他の自由を尊敬するように、こどもの時分から社会的教育をちゃんと受けているのです。だから彼らの自由の背後にはきっと義務という観念が伴っています。」と披露している。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450468 |