人間は死者を考えることによってその個人が死者から教えられるばかりでなく死者を考えるもの同士が結び
【名言名句】
人間は死者を考え
ることによってその個人が死者から教えられるばかりでなく死者を考えるもの同士が結びつくのです
【解説】
人間は自分の死を体感することはできない。もちろん他者の死も。時折、死線をさまよって還ってきた人の体験談を聞くことはあっても、死を学ぶこともできない。
しかし、親しい人の死にあったとき、亡くなった人に思いをはせることによって、「死」が生きている自分においてどのようなものであるのかを考えることができる。死者から死を教わるとはそういうことではないか。
自分だけでなく、その死者を思う人がいる。その思いを共有することで、生きたものどうしが死者を介して結びつくのではないか。
【作者】串田孫一
【生没年】1915~2005
【職業】詩人
【出典】『死んだ人と生きている人との特殊な関係』
【参考】串田孫一は哲学者にして詩人。教壇にも立ちながら、多くの著作を残した。山を愛し、「山の哲学者」とも呼ばれた。また、自著の挿絵や装丁も手がけるなど、非常に多才な人だった。
| あすとろ出版 (著:現代言語研究会) 「名言名句の辞典」 JLogosID : 5450173 |