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東洋医学のしくみ6章 東洋医学の現状と将来 >

理想的な先生②
【りそうてきなせんせい】

漢方薬の知識

◆権威に頼って処方するケースも?
 現代医学や東洋医学に限らず、医師や薬剤師が薬を処方するとき、その成分や薬効を十分に知っているものと考えるのが当然でしょう漢方薬でも、知識が豊富なことに越したことはありません。
 しかし、東洋医学の知識乏しい医師・薬剤師漢方薬を処方する場合、権威のある先生が「○○病には△△湯の有効性が高い」などと発表すると、病証タイプ合わせ使い分けよりもその権威を重視して、漢方薬名だけを頼りに使ってしまう先生は意外に多いのです。
 そもそも、漢方薬は証の相違によって使い分けますから、「○○病の××証には△△湯が有効で、□□証には▽▽湯が有効」というのであればわかります。しかし、現代医学の病名に合わせ漢方薬の有効性を研究すること自体がおかしいことであって、その権威の出所を疑問視せざるを得ない場合が多いことも、頭に置いておいてください。

◆薬の構成・主成分・禁忌を問う
 薬草には、同じ効き目として分類されていても、一方は温めながら治すときに、もう一方は冷やしながら治すときにというように、正反対の病証に使い分けるものがあります。その区別をしないまま病名だけで処方を選ぶと、効かないだけでなく副作用を起こす場合さえあるのです。
 エキス漢方(複数の薬草を配合ずみの既製品)を処方されたときは「どんな薬草が入っているのですか?」と尋ねてみましょう。その漢方薬を構成している主な薬草の効能と性質をすらすら答えてくれれば、信頼できる先生だといえます。
 また、「配合禁忌」を問うのもいいでしょう。もし複数の漢方エキスを同時に服用するようにすすめられたら、「この中の成分の組合せに“十八反”はありませんか」と尋ねてみるのです。ひどい話ですが、この「十八反」さえ知らない先生がいることも事実です。

◆指示される服用期間で見分ける
 漢方薬は患者の体質と病状に合わせて処方されますから、病状が改善したり進んだりすれば、それに対応して処方内容を変えていかなければなりません。
 また、人の体は季節の変化や気候の変動によっても大きな影響を受けますから、それに合わせた処方も必要になります。
 そういう処方の原則を無視して、最初から数か月分もの薬を買わせようとする漢方薬局は避けた方が無難です。実際にそういう薬局チェーンがありますし、患者側にも「漢方は長期服用が当たり前」という根強い誤解があるので、言われるがままに購入してしまうのです。
 急性症や急に病状が悪化したケースでは、とくに漢方薬の効果が早く出ることが予想できるので、数日から長くても1週間程度の単位で処方してくれる薬局や先生なら間違いないでしょう




日本実業出版社 (著:関口善太)
「東洋医学のしくみ」
JLogosID : 5030108


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出版社:日本実業出版社[link]
編集:関口善太
価格:1,620
収録数:115
サイズ:20.8x14.8x1.6cm(A5判)
発売日:2003年7月
ISBN:978-4534036179

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