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標準治療病名 > 消化器

腹膜炎
【ふくまくえん】

Peritonitis

腹膜炎

 腹膜という腹部の内臓の表面や腹壁の内面を覆っている薄い膜(漿膜〈しょうまく〉)の炎症により起こる病気です。炎症は細菌や化学的刺激によって起こります。多くは、急激に症状がでて、急速に全身状態が悪化する急性腹膜炎で、時に結核性のように徐々に腹水がたまったり癒着が起こるという、ゆっくりと経過する慢性腹膜炎がみられます。
 急性腹膜炎は、腹腔(ふくくう)内臓器の炎症や穿孔(腸などに孔があくこと)に続いて発症する続発性腹膜炎が多く、まれに穿孔などなく発症する原発性腹膜炎があります。
 病巣の範囲により、限局性と汎発性に分類されます。限局性腹膜炎は膿(うみ)などが一部の内臓などで囲まれ、炎症が小範囲に限局しているもの、汎発性腹膜炎は、炎症が腹腔内の広い範囲に広がっているものを指します。
 よくみられる重要な腹膜炎は、急性・続発性・汎発性・化膿性腹膜炎です。一般に腹膜炎という時、多くはこの病態を指しています。虫垂炎の炎症が進んで穿孔したり、胃・十二指腸潰瘍(かいよう)の穿孔、大腸憩室(けいしつ)の穿孔などにより発症します。その他にも外傷による消化管穿孔、胃腸の手術後に吻合(ふんごう)部(つなぎ合わせた部分)から消化液が漏出する縫合不全などで起こります。
 小児では大網の発達が弱いため炎症が限局しにくく、汎発性腹膜炎になりやすいので注意が必要です。
 女性に特有の骨盤内腹膜炎は、様々な菌が子宮から卵管を通して腹腔内に感染する腹膜炎で、淋菌やクラミジアの感染でもみられます。




寺下医学事務所 (著:寺下 謙三)
「標準治療」
JLogosID : 5035115

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編集:寺下 謙三
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