インターネット電話
インターネットに接続できれば、国内はおろか海外からの通話料金も無料になる電話がある。それがインターネット電話だ。
インターネット電話とはインターネットを利用した電話サービスである。
ホームページ閲えつ覧らんやメールのやり取りしかしない人は、「どうして声がインターネットで送れるの?」と不思議に思うかもしれないが、現代は何でもデジタル化の時代である。
音声をリアルタイムにデジタル化しパッケットにまとめてインターネットに流せば、メールのように相手に送ることが可能なのだ。
このとき、電話番号に対応するものがIPアドレスである。
インターネットの世界ではIPアドレスが端たん末まつの住所に相当する。
インターネット電話はそれを利用しているのだ。
インターネット電話にはいくつかの形態がある。
大きく分けて、通話回線のすべてをインターネットに頼る場合と、基幹のみをインターネットに頼る場合に分けられる。
近年人気のスカイプは、すべてをインターネットに頼って相手と通話する。
そこで世界中どこでも無料で通話が可能になる。
一方、基幹のみをインターネットに頼る場合、電話局と相手とを既き存ぞんの回線で結ぶサービスが提供されている。
おかげで相手がインターネットにつながっていない場合でも、従来の市内電話のような形態と料金で利用できる。
プロバイダーが提供する電話サービスにはVoIP(VoiceoverInternetProtocolの略)と呼ばれる規格が利用されているのが一般的である。
対応したルーターを用意すると、普通の電話機でもスカイプのように利用できる。
「スカイプ」に代表されるインターネット電話は、電話会社のビジネスモデルを一変させた。
通話料収入がゼロになるからだ。
そこで、既存の電話会社は通信に軸足を置いている。
例えばKDDIの提供する携帯電話サービスauでは、自らの携帯電話やスマートフォンにスカイプを組み込めるようにしている。
これは、電話会社にとって自殺行為とも考えられるが、そのぶん契約数を伸ばして、通信料金で収入を増やそうとしているのである。
【執筆・監修】
中経出版 「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」 JLogosID : 8567060 |