電線は3本1セット
電柱を見上げると、電線が3本1セットになっていることに気づく。
家庭電気製品のコードは2本1組なのに、なぜ送電線は3本1組なのだろう?その答えは「三相交流という送電方式を採用しているから」である。
三相交流は3本の電線の各間を、交流がタイミングをずらして流れている。
このズレのおかげで、3本の電圧を加え合わせると、互いに打ち消し合って電圧が0になる。
電線の終端で3本を結べば、結び目の電圧は0になり電流は流れない。
つまり、電流の帰り道は不要になるわけだ。
これは、たいへん便利な性質である。
普通の交流(単層交流)なら3往復、計6本の電線が必要なところを、三相交流なら片道3本の電線ですますことができる。
電線が半分ですみ、送電設備費用が大幅に低減されるのだ。
【執筆・監修】
中経出版 「雑学科学読本 身のまわりのモノの技術」 JLogosID : 8567022 |