新東京タワー
【しんとうきょうたわー】
[仮称:すみだタワー]。地上波デジタル放送の発信拠点として建設される新しい電波塔の通称。建設候補地は墨田区押上・業平橋駅周辺、高さ610m(展望ロビーは450m)、総工費は約500億円、2011年までに完成する予定で、そうなればカナダのCNタワー(553m)を抜いて世界一高い塔となる。建設プロジェクトの中核を担うのは、建設予定地の多くを所有する東武鉄道(株)だ。
地上波デジタル放送自体は既に2003年から開始されており、関東圏では東京タワーがその発信拠点となっているが、東京タワーと高層ビルを結んだ陰に入ると視聴が困難となる「ビル陰問題」に悩まされている。
今後、(1)2011年に現行のアナログ放送が中止されデジタル放送を見る以外に選択肢がなくなること、(2)受信高度の低い携帯電話を用いる視聴者が増加するであろうことから、このビル陰問題と対峙しなければならない機会が急増することが予想される。このため東京タワーより高い電波塔を建設する必要が生じ、NHKと民法5社から成る在京六社新タワー選定プロジェクトは、2005年3月、複数の候補地から先述した押上・業平橋駅周辺地区をその第一候補地として選定した。
しかし建設に向けた準備が着々と進行していく一方で、電波を用いないブロードバンド(ADSL、ケーブルテレビ、光ファイバー等)が普及し続けていることを理由に、この新東京タワー建設すること自体の是非を問う声も根強い。また新東京タワーに放送局設備の賃料を取られることになる東京タワー(日本電波塔(株))が危機感を募らせ、新手に打って出る可能性もある。
新東京タワーは未だ計画段階であり、着工には至っていない。その手前で計画が頓挫する可能性もゼロではないだけに、これからも新東京タワー建設計画から目が離せそうにない。
JLogos編集部
| Ea,Inc. (著:JLogos編集部) 「JLogos」 JLogosID : 12660063 |