【60歳からの人生を愉しむ心理学】第2章 「老い」へ向かう軽やかな >
自分のペースで生きる「タイプB」でいこう

ではここで、あなたのタイプA度をチェックしてみましょう。次の項目はタイプAの特徴的な行動パターンです。あてはまる項目が多いほどタイプA度が高く、少ない人ほどタイプB度が高いと考えてください。
●歩き方が速い
●緊張度が高く、歯を食いしばったり、あごを擦り合わせたりする
●めったに大笑いしない
●相手を見ながら話す
●椅子の先端に座る
●握りこぶしや人差し指を使ったジェスチャーをする
●せっかちに体を動かしたり、動き回ったりする
●言葉と言葉の間に休息を置かずに話す
●声が大きい、または力強い
●愚痴や泣き言を言わない
これはあくまで傾向ですので、タイプAかBか、どちらかにはっきり分類されるというものではありません。けれども、セルフ・チェックだけではなく周囲の人も観察してみると、なるほどと思い当たることが多いのではないでしょうか。
私はかつて、胃潰瘍や十二指腸潰瘍で長期入院している患者さんの心理面接をしていたことがあります。そのとき不思議に思ったのは、たいていの人が元気で明るいことでした。病気になったことをストレスに感じている様子は見られなかったのです。むしろ入院することで、せかせかと時間に追われることもなくなり、仕事の責任からも一時的に開放されて気分が軽くなっているようでした。
そのことを思うと、我々は日常ではタイプAにならざるを得ない、タイプA的行動に追い込まれるようなせわしない世の中で暮らしているのかもしれません。
病気になって初めてホッとしてのんびりするのではなく、病気にならないように普段から適度にのんびりすることを心がけたいものです。
渋谷昌三(目白大学教授)
![]() | 日本実業出版社 (著:渋谷昌三(目白大学教授)) 「60歳からの人生を愉しむ心理学」 JLogosID : 8615388 |