【ワールドカップ予選をめぐる64の話〜キーワード集】5章「サッカーに必要な15の鉄則」 >
イングランドのゴール

ワールドカップ1966イングランド大会の決勝戦はイングランド対西ドイツ。前半12分に西ドイツのFWハーラーが先制点を挙げると、その6分後にはイングランドが1―1の同点に追いついた。DFムーアがドリブルで相手陣まで前進したところをファウルされ、笛が吹かれる。立ち上がったムーアは、ボールを置き、顔を上げると、ワンステップで西ドイツのペナルティーエリアにボールを送った。西ドイツの選手たちは誰もこのプレーに気づかず、走り込んだFWハーストが完全なフリーでヘディングシュートを決めた。ムーアとハーストはウェストハムのチームメートでもあり、ウェストハムではしばしばこうしたクイックFKを行っていた。ムーアが顔を上げた瞬間に、ハーストはムーアの意図をくみ取り、タイミングを逃さず走り込んだのだった。
![]() | あすとろ出版 (著:) 「ワールドカップ予選をめぐる64の話〜キーワード集」 JLogosID : 8548062 |