【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 杉並区
蕎麦 鞍馬
【そば くらま】

そば通が通う名店

西荻窪駅のすぐ近くに昭和60年から店を構える、著名人のファンも多い有名店。『ソバ屋で憩う』などの著書もあり、そば屋好きで知られた江戸風俗研究家の故・杉浦日向子さんが最後に訪れた店としても知られる。
こざっぱりとしていかにも粋なそば屋といった風情の店内では、中央に置かれた石臼自家製粉機が目を引く。有機栽培された茨城県産「常陸秋そば」の玄そばを契約農家から直接買い付け、低温倉庫で保管。小出しにしてこの製粉機でゆっくりと製粉している。細かく挽き、水を加えただけで打つそばは、そば粉十割とは思えないほどなめらかな舌触りで、しかももちもちとしたそば本来のコシが楽しめる。丁寧な仕事は天ぷらも同様。穴子も十分に下処理をしてくさみを取り、身の軟らかさそのままに、ふっくらと軽く揚げられる。「あくまでそばが主役」と、天ぬきのほかは、つまみは焼き味噌だけ。「そば屋の矜持を守っているつもり」とは、店主の吹田政己さんの弁だ。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071295 |