【東京-五つ星の蕎麦】都内の名店88軒 > 中央区
そば所よし田
【そばどころよしだ】

銀座の老舗

明治18年(1885)創業の老舗。だが、その格式にとらわれず常に納得したそばを提供したいと、静岡県島田市に製粉所を設立。そばも、主人自ら北海道をはじめ全国各地に出向いて良質の玄そばを買い求めてくる。そばはのど越しのいい二八。銀座にありながら雰囲気も値段も庶民的だ。
名物は創業当時から親しまれているコロッケそば。コロッケといってもジャガイモのそれではなく、鶏の挽き肉に山芋と卵を混ぜて揚げたつくねのようなもの。考案したのは初代の女将さん。「初代はハイカラな人で、クロケットという西洋料理からヒントを得て考えついたらしいですよ。それをそばの上にのせて、コロッケそばという名前にしたんでしょうね」と、現女将の矢島一代さん。温かいそばだが、一年中食べられる。
店は創業以来、多くの著名人に愛されてきた。かつては久保田万太郎や高見順、今日出海らが贔屓にし、彼ら文士が集まると、泊まり込みで酒を酌み交わしたという。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京-五つ星の蕎麦」 JLogosID : 14071235 |