【東京五つ星の肉料理】豚肉料理 > 豊島区
とんかつ とん太
【とんかつ とんた】

素材以外は何でも手づくり

厨房に立つ店主・高橋有三さんと、ホールでくるくる立ち働く奥さんの真理さんは、大学のオーケストラ部の先輩、後輩。夫はクラリネットを、妻は今もチェロを弾く。時にモーツァルト談義にも花が咲く、アートなとんかつ夫妻なのだ。
高橋さんは、その後は焼物にはまり(カウンターに自作の扁壺や徳利が並ぶ)、写真に夢中になる(壁に自作のスナップを飾る)など、何ごとにも凝る性質だ。だから料理に関しても、肉・野菜・魚・塩などさらの素材以外は、すべて自分で作る。一年中同じ食感を保つため気候に合わせて乾燥時間を変えるパン粉、肉とパン粉の味を生かすための辛口のウスターソース、糠漬・三五八漬・塩漬・味噌漬とそろうお新香、などなど。
しっとりと肌理が細かい群馬県産餅豚の特ロースは、強火では肉が締まるからと、油の温度を加減して、ふっくら蒸すように揚げる。切り口の淡紅色が美しく、塩・黒ごま・胡椒・ウスターソースを好みで合わせて、味もさまざまに楽しめる。
![]() | 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070876 |