グリル満天星 麻布十番本店
【グリルまんてんぼし あざぶじゅうばんほんてん】
お忍び客も多い隠れ家風の店
表通りから少し外れた角の、灰色の壁にガラスを多用した近未来風の建物の地下1階。大きな看板を掲げているわけでもない店はひっそりと目立ちにくく、簡素ながらほの温かさを感じさせるビストロ風の内装にも、隠れ家めいた趣がある。
開店当初から「体にやさしい素材の洋食」を信条に、動物性脂肪を極力控えた、健康に気を使った料理を心がけてきた。手づくりを基本に、注文を受けてから調理する。そんな姿勢が愛され、また店の立地や雰囲気も手伝って、皇室関係や財界、文壇の著名人たちがお忍びで来店することが多かったという。
フランス料理をベースに日本の調味料や発想を取り入れた洋食の数々は、どれも舌にやさしく、老若を問わず評判がいい。
満天星オリジナルの牛テキご飯は、その象徴といえる。食材・調理とも和洋が入り交じり、でも客はそんなことに頓着なく、
ただ豊かな食味を楽しむ。店も人も温かく、すべて料理は体にやさしい。こんな店が「隠れ家」でなくてなんだろう。
| 東京書籍 (著:岸 朝子/選) 「東京五つ星の肉料理」 JLogosID : 14070839 |