【東京五つ星の鰻と天麩羅】天麩羅の名店厳選52軒 > 新宿区
天作
【てんさく】

居心地がよくてくつろげる

女将の田中郁子さんは、すぐ近くでおでんの店も開いている。おいしい天ぷらが食べたいというお客の声に応えて、平成12年にこの店を開いた。古くからの住宅街である目白は住人の年齢層は高め。板塀で囲った外壁やクラシックな軒灯など、
昭和を意識したデザインは田中さんが考えたものだ。月ごとに替えるというオリジナルの器も素敵で、おいしく食べるのはもちろん、気持ちよく過ごしてもらえるようにと、女性らしいアイデアで客を引きつけている。
天ぷらを揚げるのは、長らく帝国ホテルの「なだ万」で働いていた飯田さん。「ごく普通の天ぷらです」と控えめだが、素材一つひとつの食感を考え、見た目を大切にする揚げ方は熟練の技を感じさせる。ほくほくしたにんにく、ほんのり苦いゴーヤ、膨らんだ形がおもしろい餅、丹波の黒豆餅など、旬の味に加えてユニークな食材も豊富に揃うのが魅力。常連客は6月ごろに登場する、生醤油で味わう山菜を心待ちにしている。
![]() | 東京書籍 (著:見田盛夫/選) 「東京五つ星の鰻と天麩羅」 JLogosID : 14070770 |