手
【て】
人類の祖先も、笑うときには手をたたいていた!?
大笑いするときに手をたたく行為は、老若男女を問わず見られる。クセというよりも、人間の自然な反応といった感がむしろ強い。では、なぜ手をたたくのか。これには、大きく分けて三つの説が唱えられている。一つめは、興奮を鎮しずめるためという説である。人が興奮すると、体内では、そうした強い感情を抑制しようという反応が起こる。これが手をたたくという行為になるという。つまり、大笑いしていると、体のなかでは興奮状態の一種と判断され、無意識にその感情を鎮めようとして手をたたく行為となる。机をたたいたり足を踏み鳴らしたりする動きもこれと同じである。二つめは、強いストレスを発散させるための行為であるという説。ストレスというと、緊張したり、強い不安感を持ったりといったことを連想するが、ウキウキ、ワクワクといった感情が高まることもストレスの一種である。「大笑い」というストレスを発散させるために、ただ笑うだけでは上手く発散できず、手をたたくなどの行為も追加して発散させてしまうというわけだ。これは第一の抑制説と反対の解釈ということになる。最後の説は、本能だからという説。この根拠として例に出されるのがチンパンジーだ。チンパンジーは、興奮すると手をたたいたり飛び跳ねたりする。興奮すると勝手に体が動いてしまうという本能が、現代人のわれわれにもしっかりと受け継がれているというのだ。無意識に、つい手をたたいているというあなた、それは遠い祖先から受け継がれてきた本能の仕業かもしれない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820573 |