数学
【すうがく】
方程式の「x」は、印刷屋さんの都合で決まった!?
数学では未知数を「x」であらわす。方程式でおなじみのアルファベット記号である。ところで、アルファベットを使いたいのなら、一番目の「a」を用いるほうがはるかにシンプルなはずなのだが、なぜ「x」なのだろうか。未知数を文字であらわすと思考しやすいとして、初めて論文に取り入れた人は、あのフランスの哲学者であり数学者のデカルトであるといわれている。一説では、このデカルトは、とくに未知数をあらわす記号にはこだわりがなかったようで、印刷屋さんに任せたところ、植字であまり使われずに余っていた活字「x」にされてしまい、以後、未知数といえば「x」になったという。また、単にデカルトが、論文の前提として「未知数にはxを使う」と思いつきで決めたともいわれる。「x」は、「ミスターX」などように、もともと「未知」とか「謎」の意味で使われていたからという説もある。いずれにしても、数学の世界では主役級の「x」も、偶然選ばれただけの存在のようだ。ちなみに、デカルトというと「近代哲学の父」といわれるほど哲学者として有名だが、数学や自然科学の分野でも偉大な功績を残した数学者でもあった。彼はポアティエ大学で学んだ頃、数学以外の学問には失望したらしい。そして、数学はあらゆる学問の解析に有効であると思い立ち、数学的方法によって様々な学問の探求をおこなうことをライフワークとした。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全2」 JLogosID : 14820462 |