酔っぱらい
【東京雑学研究会編】
§世界初の酔っぱらいは誰?
現代の世の中にもお酒を飲んで酔っぱらうと、その勢いで服を脱ぎ始める人がいるが、人類で最初に酔っぱらって裸になったと記録されているのは、聖書の「ノアの箱舟」に登場するノアだ。
ノアは聖書が伝承する人類の祖先で、エデンの園を追われたアダムから一〇代目の子孫にあたるが、この時代の人類は神の怒りをかって大洪水によって滅ぼされてしまう。けれども聖書「エゼキエル書」によるとノアは非常に優れた人格者だったため、彼とその家族は洪水の難を逃れることができたという。
神はノアに、箱舟を作って大洪水を逃れるようにとの啓示を与えた。
ノアは自分の家族と、地上のすべての生き物一つがいを箱舟に乗せて洪水の時期を乗り切ったのだ。
大洪水の後、箱舟を降りたノアは最初にワインをつくるためのぶどう畑を作った。
収穫したワインからできたワインを飲んだノアはすっかり酔っぱらってしまい、あろうことか裸になってグウグウ眠ってしまったというのだ。ノアの息子のセム、ハム、ヤペテの三人はそんな父親の姿に驚きながらも、隠さなければいけない所には衣服をかけて隠してやったとか。
記録に残る人類最初の酔っぱらいはダニエル、ヨブと並ぶ義人の一人として名高いノア。さらに酔っぱらった上でストリップまでしたのだ。ノアの子孫の人間がお酒を飲んだ後に服を脱いでしまうのもしかたがないのかもしれない。
ただし聖書に「酔っぱらったとき、服を脱いでもかまわない」という許しはないので御注意を。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670947 |