楊貴妃
【東京雑学研究会編】
§国を傾けた、楊貴妃へのライチのプレゼント
中国の代表的な果物ライチは、レイシとも呼ばれ日本人にも人気が高い。半透明をしたなめらかな食感とほんのり甘い芳香から「果実の女王」ともいわれている。産地を調べると、これが中国の南部、福建省・広東省と、意外にも限定されている。
この「果実の女王」ライチは、楊貴妃が大好物だったことでも知られていて、それにまつわるエピソードも幾つか残されている。
楊貴妃といえば、玄宗の熱愛を受けて妃となり、その後玄宗の求めにより、玄宗の妻武恵妃亡き後には女官となる。太真の号を授かるなど、皇后と同じあつかいを受けた美人の貴妃なのだ。その楊貴妃のために、玄宗は国が傾くほど惜しみなく財力を使ったのだった。
玄宗は、楊貴妃に大好物のライチを食べさせてやりたい一心で、長安からライチの産地までの長い長い道のりにまず見張り台を建てた。
さらに、一〇里ごとに宿坊まで建て、数千里の道のりを八日八晩休みなく騎馬を走らせ、新鮮なライチを楊貴妃のために運ばせたのだった。なんともうらやましい豪華なプレゼントであった。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670946 |