【雑学大全】ヒトの不思議 > 人体
ヘモシアニン
【東京雑学研究会編】

§なぜ昆虫の血は青いのか?
ところで、青みがかった血液もあることはご存じだろう。そう、タコやイカ、貝、エビ、カニなどの海産動物、それにトンボのような昆虫の血は、目立たないが青みがかっている。
それは、「ヘモシアニン」というたんぱく質の呼吸色素が、銅を含んでいるからである。銅は酸素と結びつくと、青くなるのである。銅板についたさびが青いのを見てもわかるだろう。
ヘモグロビンとヘモシアニン、どちらが酸素を効率よく運べるかというと、それはもちろん鉄を含むヘモグロビンである。鉄は銅よりはるかに錆びやすい。ということは、酸素と化合しやすいのである。
肺で酸素と結びついたヘモグロビンが血流に乗って心臓に戻り、ここから動脈血となって全身に送り出され、毛細血管で細胞に酸素をわたし、同時に、炭酸ガスや老廃物を受け取って、静脈血となって、ふたたび心臓に戻ってくる。
これが、真っ赤な生命の「血潮」の流れである。
![]() | 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670860 |