ビール②
【東京雑学研究会編】
§ビールはどうやったらおいしく飲めるか?
ビールの種類もずいぶん増えたものだ。国内で生産されているビールの種類も多いが、輸入物も増え、ビール党にはありがたい状況かもしれない。
どのビールを選ぶにしろ、おいしく飲むためには、気をつけなければならない点がいくつかある。ビールの楽しみ方もなかなか奥の深いものである。
まずは「泡」。老舗ビアホールには、グラスに盛り上がる泡をいつも一定にするよう心砕いている専門家がいるほど、ビールの泡の質と量が味を左右すると言われている。
きめの細かいクリーミーな泡で覆い、ビールの味を封じ込めるようにグラスに注ぐことが大切である。そのためには、最初はゆっくりと、そして次第に勢いをつけて注ぎ、泡ができ始めたら、その泡を持ち上げるように静かに注いでいく。泡の割合は、グラスの三分目ほどが良いそうである。きれいな泡ごと飲むとビール本来のおいしさが味わえる。泡はふたの役目をしているのだから、最後まで残しながら飲むようにしよう。
グラスはきれいに洗っておくこと。汚れがついていると、泡がよく立たない。よくすすいだら、ふきんで拭いたりせずに、そのまま自然に乾かすのがよい。
冷やしすぎると、ビール本来の味がわからなくなる。適温は、日本の夏なら六~八度くらい。冬は一〇~一二度。
保管場所は、光の当たらない涼しいところがよい。日光にさらされると「日光臭」がつき、旨みがなくなるのだ。
酸化が徐々に進むので、三か月を目途に飲んだ方がよい。
さらにつけ加えるなら、ビールを振動させないこと。過飽和状態の炭酸ガスが気化して大事な泡が噴出してしまう。ビールの継ぎ足しもよくない。炭酸ガスの抜けたビールに新鮮なビールを混ぜてもおいしくないのは当然である。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670784 |