ハネムーン
【東京雑学研究会編】
§ハネムーンに隠された本当の意味は?
ハネムーンといえば一般的には新婚旅行。新婚夫婦が水入らずで過ごす旅行だが、辞書などでは「蜜月」「蜜月旅行」と訳されている。
ハネムーンは「蜜(honey)」と「月(moon)」の合成語。新婚夫婦が二人で過ごす、蜜のように甘い一か月かと思ってしまうが、語源はそうではない。
現在でも蜂蜜は消化吸収がよく栄養価が高いので病人食や美容のために飲まれているが、昔はスタミナをつけるために蜂蜜酒を飲んでいた。蜂は蚕と並んで人間によって飼育された最も古い昆虫で、古代ローマの頃から人々は蜂蜜酒を作り、命を延ばす酒と呼び親しんでいた。
古代のゲルマン人も新婚夫婦は結婚後一か月間、子どもを作るスタミナをつけるため蜂蜜酒を飲み続け、これがハネムーンの語源と言われている。
さて、スカンジナビア人の場合はもっと切実な理由で新婚一か月間、蜂蜜酒を飲み続けなければいけなかった。
もちろん子どもを作るためのスタミナも必要だが、当時、スカンジナビアでは結婚のほとんどが略奪結婚だったため、花嫁を奪った青年は新妻の父親の許しが得られるまで、二人で逃避行を続けなければいけなかった。そういったハードな日々を過ごすため蜂蜜酒を飲んでいたのだ。
新婚カップルがハネムーンと称して旅行にいくのは、そういった風習の名残だといわれている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670773 |