ニュース①
【東京雑学研究会編】
§ニュースによく出てくる「信頼すべき筋」「消息筋」とは何のことか?
ニュースでよく耳にする「信頼すべき筋によれば……」とか「消息筋によれば……」というのは、一体どこのことなのだろうか。
前者は信頼すべき政府関係者、あるいは公的立場にある関係者のことを指し、後者は起きた事件やニュースの事実を知っている民間人の関係者を指している。
こういう表現を使うのは、実はその情報は確かなものなのだが、ニュースソースは明かせないという場合である。ニュースソースのプライバシーという問題もある。特に、消息筋と表現する場合はそのケースが多いだろう。
信頼すべき筋、権威筋などと表現する場合は、それを公開したら、政治的な内情がわかってしまったり、国益につながったりして、社会や経済に影響を及ぼすことを配慮して、こういう表現が用いられるのである。
ただし、表現が曖昧すぎるために、そのニュースが本当に信頼できるものかどうかを、視聴者や読者は判断できない。マスコミによる情報操作も可能な表現だけに、報道機関はそれを極力使わないようにしているとのことである。
ちなみにこの「筋」は、もともと筋肉の繊維のことを指す。筋はつづいているというイメージから、血縁などの続き関係に用いられた。さらに、転じてある方面の人とか事柄を指す場合にも使用されている。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670733 |