二枚目
【東京雑学研究会編】
§なぜ二枚目が色男なのか?
二枚目というのは、今でいえばイケメン君のこと。ハンサムとか、美男子といいかえられる。
なぜ、美男子のことを二枚目というのだろうか?
この言葉は歌舞伎の看板から来ている。枚というのは看板の順番を表していたのだ。
当時の公演では、一座の中心的な俳優を八枚の看板にして小屋の前に飾るというしきたりがあった。今でいえば、パンフレットに主な出演者の写真が掲載されるようなものである。客はこの看板を見て、どんな配役で行われるのか、贔屓の役者が出ているかを知ったわけである。
この八枚の看板には決まった順番があった。先頭はその一座でいちばん人気のある役者、二枚目は恋愛物を演じる色男役の役者、三枚目は「半道敵」というコミカルな道化役、そして、「中軸」「敵役」「実敵」「実悪」「座頭」と続くのである。
つまり、二枚目の看板が色男役だったことから、顔のいい男性のことを二枚目と呼んだわけである。同様に、二枚目の引き立て役を三枚目と呼んだ。
しかし、この二枚目、実は恋愛ものにからむ色男役のために、顔に白粉まで塗っていたという。確かに、顔はいいかもしれないが、いささかなよなよした感じはいなめない。
男性の理想は二枚目半といわれるのは、顔のよさを妬んでというだけではないようだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670732 |