納豆
【東京雑学研究会編】
§納豆は腐っているはずなのに、なぜ賞味期限があるのか?
手軽に食べられるヘルシー食品として、納豆は人気がある。それは、ヨーグルトや味噌、醤油などと同様に、酵素がたくさん含まれた発酵食品だからである。
ただ、発酵しているという言葉から、腐っている印象を持たれてしまうが、実際はそうではない。発酵と腐敗は違ったものなのである。この二つには細菌などの微生物が関係しているのだが、微生物にはよい役割をするものもあれば悪い役割をするものもある。納豆は納豆菌という、よい細菌が繁殖してできるもの。腐敗の場合は、カビや悪い細菌が働いて、物を劣化させてしまうから、同じでないことがわかる。
納豆の表面が白くなっているのは、そのよい働きをしている納豆菌が繁殖している証拠で、それが元気に働いていられる期間という意味で賞味期限があるのだ。
そもそも賞味期限とは、厚生労働省が所管の「食品衛生法」で定めたものである。以前は「品質保持期限」と「賞味期限」の両方の表示があったが、二〇〇三(平成一五)年七月に「賞味期限」に統一されている。それによれば、賞味期限とは「定められた方法により保存した場合において、期待されるすべての品質の保持が十分に可能であると認められる期間」ということ。
ちなみに、古くなった納豆は、臭いが強くなる、糸引が悪くなる、納豆そのものが柔らかくなる、べたつく、味が苦くなるなどの変化が見られる。発酵食品である納豆であるが、新鮮な賞味期限内に食べたいものである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670710 |