痴呆
【東京雑学研究会編】
§アルツハイマー型痴呆症は何が原因で起きるか?
脳梗塞や脳出血の後遺症である脳血管性痴呆症では、脳の血管の老化や器質の変化を確認でき、原因もわかっているので、脳の血流を改善し、ぼけの進行を抑える手段もわかっている。
一方、アルツハイマー型痴呆症は、原因も治療法もはっきりわかっていない。「二一世紀の人類最大の敵」とも言われている。
アルツハイマー型痴呆症には、脳に二つの特徴が表れる。「老人斑」と「神経原線維変化」である。
「老人斑」は、いわば、脳にできるシミ。βアミロイドというたんぱく質でできていて、脳の神経細胞を包みこみ、窒息死させるのである。
「神経原線維変化」は、脳の神経細胞に原線維がぎっしり詰まった状態。この原線維はタウたんぱくと呼ばれるたんぱく質でできている。このタウたんぱくが発生すると、神経細胞は過剰に働き、過労死状態になるらしい。
脳が萎縮し、記憶や判断力が低下していく。まず「物忘れ」から始まるが、年のせいによる物忘れとは違い、後で思い出すということがない。体験そのものを忘れていく。進行すると、人格まで破壊され、やがて死をむかえる。
原因らしき物として注目されているのが、アルミニウムである。「老人斑」にも「神経原線維」の中にも認められ、その濃度が高いという。
水道水の処理に用いられるポリ塩化アルミニウムも危険因子である。
そのアルミニウムは、脳に達するのに、鉄分が脳の神経細胞に達するメカニズムに乗っかっているらしい。鉄分が十分脳にあるなら、脳はそれ以上鉄を取り入れようとしないから、アルミニウムも入っていかなくなる。
鉄欠乏性貧血が女性に多く、しかも、アルツハイマー型痴呆が女性に多いのも事実。深い関係があるのかも……。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670611 |