知能検査
【東京雑学研究会編】
§知能検査は戦争の副産物だった!
頭のよさの物差しはIQ(知能指数)と言われている。さて、この検査はどうして始まったものなのだろうか。
知能指数の検査方法を考案したのは、フランスのビネーという心理学者である。それによれば、年齢別にテスト問題が作られており、どの年齢の問題まで解くことができたかによって、精神年齢が決まる。
例えば、一〇歳の子どもが一〇歳用の問題をすべて通過したものの、一一歳の問題は全くできなかった場合、この子どもの精神年齢は一〇歳とされる。その場合の知能指数は、精神年齢を暦年齢で割ったものに一〇〇を掛けて求められ、一〇〇ということになるのである。
さらに、一一歳の問題がある程度できた場合には、その割合によって、精神年齢が割り出される。それによって計算すれば、知能指数は求められるわけである。
こうして求められた知能指数の平均値は一〇〇である。九〇から一一〇が普通で、それ以上は知能の発達が進んでいるとみなされ、一四〇以上になると英才とみなされる。
さて、知能を数値にして表す検査が必要だと考えたのは、第一次世界大戦時のアメリカである。軍隊に入る若者を検査する際に、この知能指数テストが、一つの項目として実行された。
戦争は一人一人の人間を見ていくという考え方とは遠いところにあるものだからであろうか。全員を一列に並べて何番目というような考え方が必要だったようである。背の高いものから並べというように、知能もそうして数字の比較で計測されるようになったのだ。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670608 |