地図帳
【東京雑学研究会編】
§地図帳のことをどうして「アトラス」というのか?
地図帳とは、一定の大きさにまとめられたたくさんの地図を書籍の形に編纂したものである。欧米ではこれをアトラスと呼び、日本でもそのまま外来語としてアトラスと名付けられている。
さて、このアトラスという名前の由来はなんなのだろうか。
最初に、地図帳に「アトラス」という名前がつけられたのは、一六世紀に地図学者メルカトルが手掛けたものを息子であるルモルトが完成させたときである。『アトラス│宇宙学者の考察』とタイトルがつけられ、イラストが描かれていた。そこからきた呼び名がアトラスだったのである。
ちなみに、アトラスとはギリシア神話の登場人物である。テイターンという巨神族の一人で、ゼウスを倒そうと神々と戦うも、破れてしまった男だ。神に逆らった彼は罰せられ、世界の西の果てに送られて一生天を支える柱を背負うことになったという。
それで、アトラスはそこから名付けられたという説があるのだが、イラストに描かれていたのは地球を支える男、アトラスではなく、手に地球儀を持つ男だった。どうも、このモデルになったのは、人類で最初に地球儀を作製したといわれるリビアの王、アトラスだったようである。
いずれにしても、これをきっかけに地図帳がアトラスと呼ばれるようになったことだけは間違いない。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670607 |