地球の自転
【東京雑学研究会編】
§五〇億年後には一日が四四時間になる!?
地球は二四時間で自転しているから、一日は二四時間である。こんなことは小学生でも知っている事実なのだが、実はこれは永久的な事実ではない。地球が誕生して以来、その自転速度は少しずつ遅くなってきており、これから先も、地球の自転速度は確実に遅くなっていくはずなのである。
その大きな原因は月の引力、すなわち潮汐力だ。地球上の海は、月の引力によって干潮と満潮を繰り返しており、そのとき、海水と海底の間には大きな摩擦が生じているのである。この摩擦が地球の自転にわずかではあるがブレーキをかける形になり、地球の自転速度は少しずつ遅くなっているというわけである。
ではその速度はどれぐらいかというと、一〇万年に一秒遅くなる程度なので、当然、地球上で暮らしている人には全く実感できない。ただ、この数字を使って地球誕生の頃の地球の自転速度を計算してみると、なんと地球は現在の約五倍もの速さで自転していたことになるのである。
現在の五倍の速度で回っていたとしたら、一日はなんとたったの五時間程度。まだ生命が誕生する前のことだが、もし生物が存在していたとしたら、あまりにも慌しくて、さぞかし落ち着かなかったことだろう。
では、この先はどうかと言うと、地球の寿命といわれる五〇億年後には一日は四四時間程度にも長くなっているはずなのだ。
ほんの僅かとはいえ、年月とともに確実に少しずつ長くなっていく地球の一日。地球最後の日は、それがたとえいつであろうとも、正真正銘「地球の最も長い一日」となるわけである。
| 東京書籍 (著:東京雑学研究会) 「雑学大全」 JLogosID : 12670605 |